溺れてないのに水難事故の原因『サイプ』

水も飲んでないのに溺れちゃう サイプとは
ダイビング中に起こる症状「サイプ(SIPE)」
聞き慣れない言葉ですが、溺れてないのに水難事故の場合3割に当てはまると言われている事案です。
水泳誘発性肺水腫(Swimming-Induced Pulmonary Edema)の略称です。
ダイビング中やスキンダイビング中に誤って水を飲んだ記憶もないし、水を飲んだことも確認されないのに
ダイビング中や水泳直後に溺水(おぼれた状態)と同じ症状が引き起こされる病態です。
想像するだけで恐ろしいですよね、溺れていないのに溺れている症状が引き起こされるなんて
サイプはなぜ発症してしまうのか
サイプ発症の原因には色々な要素が含まれています
サイプは、ダイビング中の激しい運動や水圧の変化、水温の冷たさなどの要因が重なり、血液中の水分が肺の血管から肺胞(空気が入る場所)へ漏れ出すことで起こります。
発生の要因
水中での運動、ダイビング中特に慣れてない人は想像の何倍も体力を消耗します
慣れているダイバーも大物が出て無理に追っかけてみたり激しい動きをするとやはり体力を消耗します
そしてウェットスーツによる締め付けも要因とされています
レンタル器材でウェットスーツを借りるとき、体重を少し誤魔化そうとして少し細く申告してみたりするのは良くないです、ただでさえ水圧がかかり締め付けられる状態になってしまうのに、自らサイプを起こす要因を作りに行っています。
水温が冷たいと体温変化が起こり、一時的な高血圧状態を引き起こすとされています。
高血圧の方がダイビングできないのもこれが原因です。
主な症状
呼吸困難、咳、ピンク色の泡混じりの痰(血痰)、激しい疲労感などがあります。
ダイビングが終わった後の激しい疲労感のある方はほぼほぼサイプの可能性があります。
自分のダイビングスタイルや器材を見直した方が良いかもしれません
引率するガイドも見せたい気持ちはすごくわかりますが、レベルに合わせたガイドを対応する事が必須です。
対象者
全てのダイバー
若く健康な人から高齢者、スポーツ選手やミリタリー、プロダイバーまで幅広く発生する可能性があります。
注意点とリスク
予防
過度な事前水分補給を避ける、体を冷やしすぎない、体調が優れない時は潜らないといった対策が推奨されます。
再発性
一度経験すると再発する確率が高い(最大30%程度)と言われています。
見落としの危険:
軽度の場合は自覚症状が少なく、重症化すると溺水や心疾患と誤診されるケースもあります。
SIPE(水中肺水腫)を予防し、もし発生した場合に命を守るための具体的な対処法について解説します。
1. 予防策:リスクを最小限に抑える [1]
SIPEは、水圧や冷えによる血管の収縮が主な原因となるため、これらを防ぐ習慣が大切です。
- 過度な水分補給を控える: 潜水直前の飲み過ぎは、血液量を増やして肺への負担を高めます。
- 体を冷やさない: 冷たい水は末梢血管を収縮させ、血液を肺に集中させます。適切な厚さのスーツを選び、体温を保ちましょう。
- 締め付けの強いスーツを避ける: 胸部を圧迫するウェットスーツは、呼吸抵抗を増やし発症のリスクを高めます。
- 水中での過度な運動を控える: 激しいキックや流れに逆らう泳ぎは避け、ゆったりとした呼吸を心がけてください。
- 事前のウォーミングアップ: ダイビング前に15分程度の軽い水泳を行い、肺の血管を徐々に慣らすことが推奨される場合もあります。
2. 水中での対処法:異変を感じたらすぐ中止
水中での「少し苦しい」は、SIPEの初期サインかもしれません。
- ダイビングを即中止する: 息切れや咳が出始めたら、我慢せずにバディやガイドに合図を送り、安全に配慮しつつ速やかに浮上を開始します。
- 浮力を確保する: 水面に出たらすぐにBCDを膨らませ、呼吸を楽にするために水面での安全を最優先します。
3. 水面・陸上での応急処置
水から上がった後の適切な処置が、重症化を防ぐ鍵となります。
- 体を起こした状態で座らせる(起坐位): 横に寝かせると肺に血液が集まりやすくなり症状が悪化します。座った姿勢を保つことで呼吸を助けます。
- 高濃度酸素を吸入する: 可能であれば100%酸素を毎分15Lなどの高流量で吸入させます。
- スーツを緩める・脱がせる: 胸周りの締め付けをなくし、呼吸をしやすくします。
- 保温する: 体が冷えると血管がさらに収縮するため、乾いたタオルなどで温めます。
- 水分補給を控える: 減圧症(脱水が敵)とは異なり、SIPEの場合はさらなる負荷を避けるため、水面での飲水は控えるのが一般的です。
4. 発症後の行動
- 必ず医療機関へ: 「陸に上がって楽になった」と思っても、肺にダメージが残っている場合があります。必ず潜水医学に詳しい医師の診察を受けてください。
- 再発に注意: 一度発症した人は再発率が約30%と高いため、次回のダイビング前には循環器科などで心機能のチェックを受けることが推奨されます。

